「山桜」
監督:篠原哲雄
原作:藤沢周平
出演:田中麗奈/東山紀之/篠田三郎/壇ふみ/富司純子/高橋長英/永島暎子
公開日 : 2008年5月31日
テアトル・タイムズ・スクエア(新宿高島屋12F)
公式サイト:http://www.yamazakura-movie.com/
時代劇に不慣れな田中麗奈さんを、ベテラン役者が脇を固めてバックアップした、と言う感じでしょうか? 東山さん以外、特別豪華な俳優陣たちを揃えたというわけでもなく、きらびやかな話題作と言うよりは、田中麗奈さんのピュアさを全面に押し出し、丁寧に作った時代劇と言えます。
東山さんはこの役にピッタリで、良いとこ取りでした。あの凛とした顔立ち、立ち振る舞い、太刀捌きはさすがです。まさに時代劇の顔といえます。
しかし、篠田三郎さん・壇ふみさん・富司純子さん・高橋長英さん・永島暎子さん、みーんな上手、さすがだ、伊達に役者を何十年もやっていませんね。特に後半の富司純子さん、いやいや参りました。
実は、藤沢周平大ファンの私の中では、この女性のイメージは、常盤貴子さんでした。最初田中麗奈さんのかつら姿、目鼻立ちに物足りなさを感じましたが、後半からは違和感がなくなりました。大いにがんばったのではないでしょうか?細かな演技もしっかり伝わってきました。
細かいと言えば、東山紀之さん 台詞が極端に少ないにも拘らず、また台詞の無い中での細かな演技が光っていました。
また、何気ない景色のカット撮りや、農民、町民の生活風景も実に細かく配慮され、前2監督には無い、なにか不思議な新鮮さを伺えました。
結末に関して、
「はっきりせず、あいまいで不明確、すっきりしない」との意見があるようです。そういう方は、原作本を是非読んでいただきたい。あるいは、藤沢周平のその他の本をよく読んでいただきたい。更に、映画をよくよく観ていただきたい。結論は非常に明確に表現されています。
ちなみに私、田中麗奈さんが富司純子さんの家を訪ねたシーンから後、涙がポロポロぽろぽろ流れました。富司純子の振る舞い、品がありましたね。
そうそう、若い方にはわからないとは思いますが、「結婚」と言うものは、家と家との結び付きで、そこには「格」というものが存在し、同じ家柄や格でないとなかなか上手く行かないものです。当初は惚れたはれたで目の前のものしか見えず、それはそれでいいのですが、段々と、育ち、躾け、環境の違い等ですれ違いが出てきます。
今回の映画では、実にそれがよく表わされていました。
田中麗奈さんの嫁ぎ先、60石?と言いながらも、あの食事風景をみなさんどう感じましたか?また、田中麗奈さんの実家120石の食事風景は?東山紀之さんの実家富司純子さん立ち振る舞いはいかがでしたか?。田中麗奈さんが富司純子さんを訪ねた際、富司純子さんがしっかりと田中麗奈さん玄関先の振る舞いを見ていましたね。枝を折った桜を田中麗奈さんはどのように持ち歩き、持参しましたか?
これらが家柄の違いです。通常120石と60石の結婚はありえませんね?但し今回は出戻り、我慢して嫁いだのでしょうがやはり「格」が違います。無理ですね、そんなこと細かな監督の気配りが随所に出ていました、感心しました。
ただ1つ、私 華の指導者として気になったシーンがありました。花瓶に花を活けるシーン2回ともです。多分、お華の心得のある方なら皆さん気がついたと思われますが・・・・。まー、普通の映画の華のシーンより丁寧に花を扱っていましたのでそれはそれで、今回は良しとします。
■「藤沢作品の映画化ものならそれがしに言わせろ!」とばかりにしゃしゃり出て
- たそがれ清兵衛:2002年 監督:山田洋次 出演:真田広之、宮沢りえ
- 隠し剣 鬼の爪 :2004年 監督:山田洋次 出演:永瀬正敏、松たか子
- 蝉しぐれ :2005年 監督:黒土三男 出演:市川染五郎、木村佳乃
- 武士の一分 :2006年 監督:山田洋次 主演:木村拓哉、檀れい
今回は藤沢作品の5作目。山田監督、黒土監督とも違う演出で非常に新鮮でした。お二方同様、あるいはそれ以上に丁寧に撮っています。
わたし非常に好感持ちました。
ただ、一言わせてください。
主題歌の一青窈さん、多分場違いでしょう?はっきり言いますが、この曲いりません、実に耳障りで不快でした。
■お薦め度:★★★★★(原作は20~30ページ足らずの短編です、是非読んでから映画館へ行くことをお薦めします)
■ 内容:
江戸後期、不幸な結婚生活に耐える野江(田中麗奈)はある日、1本の山桜を見つける。花に手を伸ばすと1人の武士(東山紀之)が現れるが、彼は野江が今の婚家に嫁ぐ前に縁談を申し込んできた相手、手塚弥一郎だった。自分を気遣ってくれる人物の存在に勇気づけられる野江だったが、手塚は悪政をたくらむ藩の重臣を斬ってしまう。
■劇場考察:テアトル・タイムズ・スクエア(新宿高島屋12F)
初めて入りました。場所がいまいち悪いので行きかねていた映画館。今回は公開劇場が限られているのでしかたなしに、と、あまりにも評判の悪い劇場なので、自分の目で確認したかったという奇妙な好奇心。
シートに座った瞬間
「あっ、これかぁー!?こりゃ最悪だー、と、思わず実感」
もう二度と入りたくない。
東京広しといえどもここまで座り心地の悪いシートは無い。あえて言うなら2番目だが・・(極悪は日比谷シネシャンテ、背もたれが背中半分しかない&前の座席との間が極端に狭い)。また、勾配が確かに急なので、今回のような年配者が多い映画の場合は非常に危険。階段の上り下り、お年寄り皆さん大変そうでしたね。
でも、天下の「高島屋」、何を考えこんな設計、設備、施設にしたのでしょう?実に不思議です。
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