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2008年9月 8日 (月)

「屋烏(おくう)」 乙川優三郎

Photo講談社文庫 495
2002/2/15
1
2002/7/26
3
1999/2
月 講談社より単行本刊行

本の題名がいまいちピンと来ないので難ではあるが、著者の数ある著書の中でも抜群の出来栄えではないだろうか? 収録全5篇共、読み終わった後の爽快感、満足感、幸せ感は非常に心地良い。読んで幸せな気分になる超お薦め時代小説!

■「禿松(かぶろまつ)」:
揺れる男心になんともハラハラさせられる。しかし、妻は逞し。

祝言まであと二月と迫っていた。しかし、それまで待てない若侍。許婚に手をつけた現場を親とその上役に見られ二人の人生が狂いだす。その後、上士に嫁いだ元・許婚と、婚期を逃した現妻を娶った主人公。


     「屋烏(おくう)」:
表題作。そうかー、よかったなー、よかったよかった。やっと幸せを見つけたね。苦労は報われないと!

 父が政変に巻き込まれ惨殺されて以来、一家の大黒柱となり幼い弟を育て上げた姉。気がつけば、婚期はとうに過ぎ、妻を迎えた弟一家の為に家を出るしかなくなってしまった。武家の宿命を背負った姉の一生とは何だったのか?。しかし、別の宿命を背負った侍が現れ・・・・・。


     「竹の春」:
これはまさに、藤沢周平さんの世界です。思った通り、十分納得!
しかし、なんとも人間の醜さよ

 脱藩した侍に娘を道連れされた一家の主人。その一歳違いの兄から部屋住みで毎畑仕事を強いられている弟に命令が下された、「娘を連れ戻し侍を始末しろ」。

武家において、1つ違いの兄弟の処遇差と葛藤。そして、現世にも通じる「卑しい人間」が描かれる。

■「病葉(わくらば)」:
これは辛い。しかし、最後は心温まる。愛情とは、何たるものぞ?

 息子と歳が変わらない器量良しの娘を後妻にした奉行の父。その継母に切腹を迫る息子。母と呼べる日は・・・


■「穴惑い(あなまどい)」:
何だろう?何だろう? このまますんなり終わるはずはないよナーと思って、明けてみれば、「そうか、そう来たか、やられたー」感服! しかし、これは凄い内容だ。
 
父の敵討ちの為34年も帰らなかった主人が突如帰ってきた。苦労を全身から漂わせる妻、藩も本家当主に成り代わった叔父も戸惑う。さて、本懐を成就しても厄介者でしかない侍。なんとも、すんなりその地位を継承、復活させられぬ、人間の醜さよ

■お薦め度:★★★★★(超満足!)

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