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2008年9月14日 (日)

「かずら野」 乙川優三郎

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新潮社文庫 514円
平成18年10月1日発行
平成13年8月 幻冬舎より刊行

長編時代小説

やはり、「長編もの」は読んでいて落ち着く。

まず題名。「“かずら野”って、何?」と思ったが、文中「葛=つる草の総称」と解かる。

「人の運命」は一寸先が闇であるが、ここまで不幸を背負った主人公(少女)には、どうしても幸せになって欲しと望まずにはいられない。

決して本人のせいではないが、もって生まれた悲運。それでも彼女を長年待っていてくれている長屋時代の幼馴染、転居先々の人々の優しさが沁みる。
読みながら、「甲斐性無しの男にここまで尽くさなくとも・・?」、「早く三行半を突きつけろ!」と応援するも、なかなか踏ん切りのつかなさに最後までイライラさせられる。

しかし、最後の最後、こういう結果になろうとは・・・・・。

つくづく「情とは?」を考えさせられる。
各転地先の地元の人々、内職先の主人、息子。何れもいい人達に恵まれるも次々に駄目男が無にしてしまう。しかし、その男も人間ではあった。


■ストーリー:
足軽の娘が貧困の為14歳で奉公に出される。が、実は大店の妾として売られたのだ。それを知らずに生活していた娘は当初その待遇のよさに戸惑うが、後にその事実を知る。しかし、とある事に巻き込まれ、大店の父を殺した若旦那がその娘を道連れした。それから仮の夫婦として土地を転々とするが、一度狂った運命には逆らえず人の恩を全て仇で返してきた。流浪の果ては銚子へ流れ着く。さてその後の運命は・・・

■お薦め度:★★★★☆


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