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2009年8月19日 (水)

「喜知次 乙川優三郎 著」

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講談社文庫 \667

2001年 3月15日  第1刷
2002年11月29日 第7刷

     1998年2月 単行本として刊行

「喜知次って何?」から始まり、
魚の名前と知り、そこから義理の妹のあだ名であることも読み進めるうちに解かる。
実に面白い題名である。



さて、前にも触れたが、この著者:乙川優三郎さんの作品にハズレは無い。
今回もまったく同様。

最初の話の展開&登場人物等々は、藤沢周平さんの映画にもなった「蝉しぐれ」に似ている。が、それも中盤まで。ここから後半にかけては良い展開で安堵させながら「Happy end」で終わらせないのが著者らしい。

読者としては、「ほっ」とさせてもらって、気分よく本を閉じたいのだが・・・・。

「最後、こういう展開に話を持っていくか?????」と、感心させられる。さすがです!good

最後は実に悲しいweepのだが、その一方で、
最後のページを終え「じっと黙って、しばしその世界に浸り重みを噛み締めたいthink」そんな作品であった。

実に満足の一冊。

読み始めたら止まらずdashdanger、一気に読み終えた。未読の方はどうぞ覚悟のほどを!


私はこの中でも、
下士の息子で終始汚名を着せられながら、最後「50石二人扶持」を捨ててまで意地を通した猪平の生き方にひどく感動した。
p367「身なりは粗末でも堂々と歩いていたに違いない。」

この短い文章が胸に突き刺さるweeppunch

「侍」なるものは、こうでなければならない!!

しかもこの猪平、最後はそれがしの故郷に表向きは向かっている。
p351「越後か・・・・・。ずっと雪深いところだな」
「おばさんの祖母にあたる人が高田の生まれだそうで・・・」

■内容(「BOOK」データベースより)
裕福な武家の嫡男・小太郎に愛らしい義妹ができた。一見、平穏な日々だったが、藩内には権力を巡る派閥闘争の暗雲が渦巻き、幼なじみの父親が暗殺されてしまう。少年ながらも武士として藩政改革に目覚めた小太郎の成長に、友が心に秘める敵討ちと義妹へのほのかな恋心を絡めて、清冽に描く傑作時代小説。

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